八月のif

陽炎がゆらゆら揺れてる
沈む太陽を見つめながら 考えてた
わたしたち もしも出会えてなかったなら
どんな夏が待っていたんだろう?

「違う夏、さがしてた?」
「それぞれ夢、追いかけた?」
「でもホントにそうなのかな?」
「やっぱりね、いつかは……」
「……出会ってたのかな?」

煌めいた八月の“if”
短い夏のひみつ 探しにいこうよ
息をとめて そのままでいて
“もしも”じゃない“今”を抱きしめている

ひぐらしがかなかな鳴いてる
夏のため息を かき消す波の音みたい
わたしたち 今はこうして出会ってるのだから
過去のすべて ありがとう

笑った日を 泣いた日を
泣き笑いしてた日を
全部 歌にしようね
どうか 明日に 届きますように――

夢をみて まだ醒めないの
夏の終わりの忘れ物を取りにきて
何も言わず このままでいて
ただひとつの“今”を抱きしめている

立ち止まった八月の“if”
旅を終えたら きっと声をあわせてね
心開き 手と手繋いで
ただひとつの“今”を歌いつづける

ただひとつの“今”を歌いつづける
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