君が笑えればいい

いつも歩いてたこの帰り道
線路沿いに伸びた遊歩道
静まりはじめてく街並み
夕暮れの色に染まった
胸の奥にくすぶる
小さなカタマリのような想い
気づかないふりでごまかしたって
君はもういない

新しい街でどんな夢が君を迎えただろう
見慣れてたはずの横顔が遠くなってく
もう一度だけでいいよこの鮮やかな夕焼けを
君とただ見ていられたならどれだけ嬉しいだろう

言葉に出来なかったこの想い握れなかったその手
今でもぎゅっと胸に抱きしめて俺は歩いてくよ
それが精一杯の答えだから

君が笑えればいいんだ
幸せになれればいいんだ
この願い 今はもう届かないけど
君が笑えればいいんだ
堪えてた涙がにじんだ
あの日々はかけがえない俺の誇り

改札口で君は不意に立ち止まった
「ありがとう」っていうその言葉が
こんなに寂しいと知らずにいた
あんなに悩んで君が踏み出した一歩だから
黙って君のその背中を見送るしかできない

昨日が空の向こうに消える君は今どこにいるの
どれだけ大事なもの失くしながら俺は歩いてくよ
この声が君に聞こえなくても

君が笑えればいいんだ
幸せになれればいいんだ
強がりでもそう俺は祈りたいんだ
君が笑えればいいんだ
立ち止まって涙ぬぐった
あの日々はかけがえない俺の誇り

温かな切なさだけが
心にある君を感じさせてくれる
忘れてしまうよりも
忘れない哀しみのほうがずっと
大切だから

さよなら 今も君を想うよ
君がしてくれたこと
今でもぎゅっと胸に抱きしめて
俺は歩いてくよ
それだけが答えだから

君が笑えればいいんだ
幸せになれればいいんだ
そう祈ることが最後の勇気
君が笑えればいいんだ
堪えてた涙がにじんだ
あの日々はかけがえない俺の誇り
そうずっと俺の誇り
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