さみだれ挽歌

恋をたち切る つもりで捨てた
指環(ゆびわ)が川藻に 縋(すが)りつく
誰よりも 愛してくれた
あなたがわたしを こんなに泣かす
呼んでもこの手に 戻らない
春を偲んで 女の雨が降る

きっと何処かで あなたの声が
聞こえる気がする 駅通り
しあわせは 儚いものね
あの日に遊んだ 花火のように
思い出ばかりが 燃え残る
消すに消せない 未練の雨が降る

いっそあなたを 怨めるならば
いつかは忘れて ゆくものを
もう一度 片膝触れて
一緒に酔いたい 明日を見たい
遣らずの涙よ いつあがる
外はさみだれ 今夜も雨が降る
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