陸羽西線

最上の川面を すれすれに
一羽の鳥が ひるがえる
おまえも群れに はぐれたか
それとも何かを なくしたか
陸羽西線 こころは揺れて
車窓(まど)に面影 ゆきすぎる

小さなほころび それさえも
気づかなかった 俺だった
夕日に染まる 高屋駅
紅葉の流れを 観光船(ふね)がゆく
陸羽西線 白糸の滝
なぜかまぶたが 熱くなる

哀しい思いを させた女(ひと)
それでも俺を 待つという
つぐなうことが できるなら
命の果てまで 離さない
陸羽西線 終着まぢか
遠くぽつりと 灯がともる
×