憧れ白い米(コメ) 米食う事が夢(ユメ)
夢食う事に疲れた獏に跨りいざ行け
睦まじきあの時(トキ) 世状に流る恋(コイ)
路地裏に面濡らして この道をいざ行け

花吹雪舞う霞んだ夜に 奮い立たせたのは小さなちょんまげ
もう2度と戻れぬ四畳半で 涙飲み干す五臓六腑

されど進め月のない夜に それは武者震いさ小さなちょんまげ
床になった無念を腰に締め 言葉を掻き消した

嗚呼 呼んでくれるな 日の出待つのに言葉はいらない
振りかえれば二度と歩めないから貴女の名を風に流した

握りしめた小銭(ゼニ) 膳じて飲んだ稗(ヒエ)
冷えた体と心に夢見ず明日を斬り裂け
隙間風入る穴(アナ) 貴女に見えた夜(ヨル)
濡れ枕裏返して明日を見にいざ行け

星屑濡らす夜霧霞めて 蛍火が照らすよ小さなちょんまげ
音になった夢幻を握りしめ 涙飲み干す五臓六腑
されば進め何もない世に 誇り掲げるのさ小さなちょんまげ
死に腐った無念を胸に閉め 涙を掻き消した

嗚呼 泣いてくれるな ここに立つのに涙はいらない
未練に情けかけたらもう立てぬから 貴女の名を風に流した
嗚呼 止めてくれるな この道だけは行かねばならない
誇り掲げた空に届かなくても 暁に身を焦がされても

(コメ)込められた想い全て (ユメ)夢如切り捨てたはずなのに
(トキ)解きあかせない影が (コイ)故意に心引きずり回すのさ
この世に切れぬ物などないと念じ続けた心に
貴女がいたのさ

貴女がいたのさ
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