女の雪国

雪が私の 母ですと
ほほえむ肌に 雪を見た
裾をからげて 帯にはさんで
叶わぬ恋を 背おって歩く
駒子のように
意気地(いきじ)で生きる 越後の女

あんた私に 似てるから
苦労するわと かすれ声
炬燵蒲団(こたつぶとん)に お酒ならべて
男なんかに 負けちゃだめよと
紬(つむぎ)の肩を
稲穂(いなほ)のように ふるわす女

雪が紡(つむ)いだ 恋ならば
燃やせど燃えぬ 氷花
好きなあなたに 好かれたいから
別れ上手な ふりをしてても
私も駒子
一重(ひとえ)に咲かす 越後の女
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