家族

とうさんが死んで2年 この街へ来て1年
鉄パイプのベッドのバネの具合いにも慣れた
かあさんは兄貴の事をまるで信用していない
姉さんは窓辺でいつも唄をうたってる

はっきり覚えているよ ええそりゃもうはっきりと
私に向かって息を切らせておまえ達がとんで来る
かあさんは陽だまりの中でいつも思い出し笑い
ひとつあきらめるごとにひとつ思い出が増える

ゆっくりと流れる川に沿った石畳
僕は自転車に乗って毎日ここを通る
一人前になるまでもうひと息だ

姉さんは昔に比べてずっと笑わなくなった
にやけた男と一度だけ変な事になったらしい
遊ばれたんだって言われても姉さんは待ち続ける
男にほめられた髪の毛の手入れを忘れはしない

取り引きをしくじった兄貴のアリバイは
仲間の裏切りで簡単に暴かれた
家中の金をかき集め真夜中に出て行った
かあさんの顔にいつまでもドロを塗るつもりだ

ゆっくりと流れる川に沿った石畳
僕は自転車に乗って毎日ここを通る
一人前になるまでもうひと息だ

馬鹿なまねはしないさ 僕ならうまくやれる
金もうけの手口などいくらでも知ってるよ
気の弱い奴から順番にダメになってゆく
だけど家族が助け合うのはあたりまえの事だ

ゆっくりと流れる川に沿った石畳
僕は自転車に乗って毎日ここを通る
一人前になるまでもうひと息だ

ゆっくりと流れる川に沿った石畳
僕は自転車に乗って毎日ここを通る

ゆっくりと流れる川に沿った石畳
僕は自転車に乗って毎日ここを通る

一人前になるまでもうひと息だ
×