瞬いては消えて行く

一つだけ残った 映画のチケット
独りで眺めた 物語も知らずに

窓際の机と 騒がしい教室
視界に映るのは 僕の“友達”
寝癖もとらずに 猫背を丸めて
何時もの景色だ 哀しい位に

ほら 今、耳を澄ませば
誰にでも優しい声が

瞬いては消えて行くその答えを
求めてはいけない気がして
僕の涙を知らないその背中も
いつか僕を忘れてしまうの

放課後に交わした 他愛も無い約束
器用に笑った 隠した心に

無意識に 気付かないように
気付かれたっていいはずなのに
どうして素直になれないの
きっと僕は 今の関係が
壊れてしまうのが怖くて
このまま踏み出せないままなんだろう

握りしめたままのこのチケット
君に手渡すのが怖くて
きっと僕を見ていないその瞳に
僕はどう映るのでしょうか

瞬いては消えて行くその答えを
求めてはいけない気がして
僕の涙を知らないその背中も
いつか僕を忘れてしまう
きっと来るこんな日々の終わりを
今はまだ迎えたくはないんだ
君の気持ちはまだ解らないけど
今告げるの「愛しています」と

一つだけ残った 映画のチケット
独りで眺めた 物語も知らずに
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