六月のあなた

あじさい畑の遠いお空に浮かぶのは
紫のかわいた星屑
三年の月日が経ってあなたもね
多少なり歳をとったでしょう

カタツムリのように誠実なあなた
青い葉の下で私を守ってくれたのに

今この空を見上げてるこの気持ちあなたは知らず
傘もささずに降り続く雨の音懐かしすぎて
またひとつ歳をとるあなたにも聞こえてるかな

あなたがくれた一枚だけの
手紙もね写真もね
全部捨てたのに
なぜだろう心の中は
何一つ捨てきれずふくらむばかりで

好きという言葉もあてはまらないよ
わたしの体をうるおしてくれたあなたには

今この空が流してるこの涙あなたは知らず
激しさまして降り続く雨の音優しすぎるよ
あじさいがすべてを見透かしては
わたしを笑う

あなたがいる わたしがいない
あなたがいない わたしがいる
そう この場所には

六月の雨気まぐれに晴れないでわたしのために
紫の雨 六月の雨
弱虫でからまわりのわたしを
あなたが笑う
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