津軽母情

戻ってけろや戻ってけろや津軽の故里(さと)へ

ひろし…何処(どこ)にいるのやら
達者(まめ)でいるなら 便りをよこせや
母は…母は明け暮れ 涙…涙に候(そうろう)
たとえ銭(ぜに)この無心(むしん)でも
待って居ります ひたすらに
戻ってけろや戻ってけろや津軽の故里へ

ひろし…何処でどうしてる
他人に迷惑 かけてやしないか
母は…母はそれのみ 案じ…案じて候
お父(と)のない子に 生んだ母
責(せ)めて在所(ざいしょ)を 捨てた伜(こ)よ
戻ってけろや戻ってけろや津軽の故里へ

ひろし…何処にいるのやら
夢じゃ昨夜(ゆんべ)も やつれた泣き顔
母は…母はおまえが 不憫(ふびん)…不憫に候
ひとり他国(たこく)の 片隅は
さぞやつらかろ せつなかろ
戻ってけろや戻ってけろや津軽の故里へ
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