空きビンの色のようで

日暮れの山は空きビンの色のようで
働かなければならぬと悟すのだ
空きビンさながら空っぽというのならば
もう何も尋ねることはないだろうに

10年後の僕宛に手紙を書いて
胸にポツンと空いたポストに託した
空っぽの空も空きビンの色のようだが
今日を飲みほせなかった僕からの手紙

『いろいろあるけど 何にもないのさ
何にもないから いろいろあるのかな』
いろんな絵の具混ぜすぎて悲しい色だね
パレット洗い流そうとする涙

出勤間際せわしなくお茶づけ流しこみ
食道を伝う熱さをすぐさま隠そうと冷まそうとする体
それに似た感覚いつからだろうか
自分より熱のあるもの あったかいものに臆病になったのは

遠く 遠く 遠く 遠く 遠く昔の記憶にも
遠く 遠く 遠く 遠く 遠くぼやけた未来にも

届く 届く 届く 届く 届く 灯るのだ
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