たそがれ本線

あなた忘れる 一人の旅は
沈む夕陽が 涙を誘う
線路づたいに 面影揺れて
なにをいまさら 恋しがる
窓の向こうは 紅い海
誰が名づけた たそがれ本線

帰るあてない 旅路の先は
北は時雨か 山背の風か
未練心を 断ち切るように
波の谷間に 陽が落ちる
きしむ列車は あかね色
泣いているよな たそがれ本線

いいえわたしが 望んだものは
他人(ひと)もうらやむ 愛ではないの
沖の漁火 ゆらめきながら
夢のかけらが 遠ざかる
あの日別れた あの人と
燃えて儚(はかな)い たそがれ本線
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