天使のお手紙

二人でいつも来てたこのレストラン
今日も一人で来ている君は
いつもの席に着き、いつものメニュー
二人分のセットを頼む
もう一つのサラダ、トマト以外は残すんだ

ほんとは将来とか考えたりして
いつまでも幸せに暮らせるって思ってた
でも君はこれから一人で生きて行くんだよ…
守れないんだよ…

ねえ僕は君といれて良かったよ
だから「ごめんね」なんて言わないでよ
ねえ僕も好きだよちょっとは聞いてよ
僕はここにいるよ泣かないで

君はどうしようもなく泣いてばかりで、
どうしてやることも出来なくって
泣いてたって 震えてたって
叫んでたって 喚いてたって
手を握ることすら出来ない僕は、
不安がる君を助けたくて
手紙ひとつ 見てもらえるようにしまった
君が好きだと言ってた僕のジャケットの、
ポケットに…

神様に怒られちゃうよね…こんな事してw

でも君は泣いてばかりで前に進まないから、
今、最後の手紙書いたんだ。

『拝啓
君と過ごせた一生は、
楽しかったよ、幸せだったよ…

僕はたくさん君を困らせて
君はたくさん泣いて悩んだね
僕はたくさん無茶して失敗っても
君は笑って褒めてくれたね

もう褒めて貰う事も出来ないし
君と笑う事も出来ないし
もう君と悩む事も出来ないし
君を守る事も出来ないし
もう君を愛する事も出来ないし
君の傍にいる事も出来ないし
もう一人でいるのは心配だから
ちゃんと誰かを愛して欲しいんだ

君が幸せになる事が
僕の幸せになるから
君は幸せになるんだよ

今まで、一緒にいてくれて
ありがとう。』
×