由布院霧の宿

朝霧深い 山あいに
湯の香漂う なみだ宿
恋のさだめを 隠すよに
霧が静かに 流れゆく
思い断ち切る この旅なのに
あなた恋しい 由布院霧の宿

桜の花が 匂い立つ
あの日別れの 御幸(みゆき)橋
耳をすませば さらさらと
かすか聞こえる せせらぎは
おんな心の 哀しみでしょうか
泣いているよな 由布院霧の宿

はらりと落ちる 濡れ紅葉
恋の終わりを 知りました
流れ過ぎゆく 季節(とき)の中
私ひとりが 立ち止まる
みれん心の 切なさ辛さ
泣いて一夜の 由布院霧の宿
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