八尾しぐれ

心もからだも 闇に溶け
ふたりで踊った 坂の町
越えてはいけない 恋でした
八尾しぐれは 情けのしぐれ
風に胡弓が すゝり泣く

夢か現実(うつつ)か 雪洞(ぼんぼり)の
灯(あか)りに影絵の 人の波
秘めた思慕(おもい)が 天をつく
八尾しぐれは 女のしぐれ
夜を流れる 水の音

朝(あした)に紅(くれない) 咲く花も
夕べに萎(しお)れて 散ってゆく
いつか別れる 人でした
八尾しぐれは 未練のしぐれ
おわら恋しい 風の盆
風の盆
×