父さんの帽子

箪笥(たんす)の上の 色褪(いろあ)せた
フェルトの帽子 父さんの形見
駄じゃれや冗談 大好きで
蕎麦がきつまんで 二合のお酒
頑固だけれども あったかい
あなたに会いたい もう一度

さんさ踊りや 秋まつり
おさない頃の 思い出は今も…
父さん子だった せいかしら
いつでもどこでも 帽子と一緒
大きな手のひら ぬくもりと
あなたの笑顔を 忘れない

時雨 雷 鳴る夜は
雪おこしだと 父さんの言葉
私が嫁いで 行く朝は
庭先見つめた さみしい眼つき
しあわせ暮らしが 望みだと
あなたの帽子が 言ってます
×