函館慕情

結ばれて 別れた日から
降りつもる 未練の 未練の雪に
心埋(う)もれて 桟橋通(が)よい
こんなわたしに 初めて逢った
港函館(みなとはこだて) なつかし憎し

この胸に 錨を入れて
動けなく したのは したのはどなた
蘭(らん)の花咲く 函館山の
青い灯影(ほかげ)で あなたを呼べば
見えるはずない マストが見える

賑(にぎ)やかな 祭りのあとの
淋しさを 教えた 教えたあなた
早くきてねと 書く片便(かただよ)り
流しましょうか ボトルにつめて
風もあなたを 立待岬
×