愛だけさ

何百冊も本を読んで
何千枚のレコードを聴いた
何万人の前で歌をうたった

何十万の金を稼いでも
何人かの女の子との恋には
ひとつも敵わない

たとえばテレビの占いが一位だとしても
それがなんだって言うのわたしはわたしよ
今夜の夜空は星がたくさん見えたって
あなたが隣にいなくちゃ意味がない

愛だけさ
たしかにぼくらには愛だけがある

一番の親友が退学になった日を
ぼくはよく覚えている
万引きしたものは
緑のインスタントカメラだった
あいつはそんなことまでして
覚えていたかったんだろうか?
こんな日々の光と影の集合写真を
ずっと残していたかったんだろうか?

愛だけさ
たしかにぼくらには愛だけがある

いつかの少年少女よ
いつの日かの少年少女よ
グツグツと煮込んだカレー鍋の中にこそ
革命はある
誰かを味方にしようなんて思うなよ
もうそこにいるからナイフは捨てるんだ
包丁で愛し合え食卓で

愛だけさ
たしかにぼくらには愛だけがある
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