First morning

コーヒーをいれ
あなたの眠る白い扉開けて
おはようって毎朝言うの
何回目だろ
はじめまして

最初から話すね

あなたは私の事
もう夢中だったんだから
手も離してくれないような人だったのよ
ずるいよ
私だけあなたとの記憶の中で生きて
こんなに近くにいるのに

明かりが漏れ 見知らぬ天井
香ばしさが漂う
おはようって優しい声の
見知らぬ女性
はじめまして

頭が痛いんだ

艶やかな黒髪も
鼻にかかったその声も
吸い込まれそうな大きな瞳だってさ
君はなんで泣いてるの
なぜか僕も悲しいよ
ごめん どうしても
思い出せそうにないよ

『あなたの手を握ってもいいですか』
えぇ、いいですよ
コーヒーを頂きます
今日はちょっと苦いですね
あれ
昨日も一昨日もそのまた昨日だって、、、

全部覚えていた

愛してた君の事
君の手のぬくもりも
その泣き虫な大粒の涙だってさ
君は本当馬鹿だよ
ここになんか来ないで
全部忘れてくれたって
かまわない

馬鹿なのはあなたよ
私だって何度だって
扉の前で開けようか悩んでたわ
それでもあなたの事忘れる事が一番嫌なの
あなたが一番辛い事
わかってるから

紅茶を入れ
あなたの眠る白い扉開けて
おはようって今日から言うわ
そばにいるよ

はじめまして
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