愛のでたらめ

壁紙をすべってゆくヘッド・ライト
肌をなでるように照らした
もうひとつだけと言い訳して
チョコレート手をのばす
一瞬は ひとつぶの 光る砂
とても甘い
時計の針が私たち 責めるように刻む

遠くで叫んでいるサイレン
近くの雨音は静かで
髪をとかしてゆく指先
くすぐるよう響いた
もう忘れた はずでしょう
どうしてまた ここにいるの?
ただこの引力の正体を 確かめてみたい

頭をめぐる言葉はつめたいシンクへ流そう

ああ 愛のでたらめ
きみの右手と私の右手で
拍手をしようよ 二人の奇跡に
もつれた リズムで
きみの3拍子と私の4拍子
12拍目で出会うそのときに
言えるの 好きだよ ああ 愛は でたらめ

きみの弱さを利用してる
きみも弱さを利用してる
しみこむように月は見てる
雨上がりの窓で
ひとさじの 憎しみなら
あったほうが おいしいもの
互い違いの心でもいい
刻みつけていたい

溢れるうしろめたさグラスに満たし飲み干そう

ああ 愛のでたらめ
きみの右手と私の右手で
拍手をしようよ 二人の奇跡に
もつれた 心は
きみの3拍子と私の4拍子
12拍目で出会うそのときは
言えるの 好きだよ もう 愛は でたらめ

壁紙は白く色あせて
肌をあられもなく照らした
いつのまにか夜があける
チョコレートとけてゆく
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