バニラ

ベッドにもぐり軽くまぶた閉じて 跳ね回る羊数えても
私ときたら一時間やそこらじゃとても眠れないの
「お願いダーリン そばにいて」額に血をにじませて
そんな時だけ君は本当にずるいのよ

冷えた苺もニュース速報も君の電話も何もいらないの
彼の言葉にびくつく日々なんてもう終わりにしたいの
そうだよダーリン 君だってとっくに見抜いてたはずだよ
こんな夜じゃ金切り声も闇に溶ける

crushed moon on the dish
銀のナイフがヒヤリ 私の火照る唇を撫でて
crushed moon on the dish
こんな不甲斐ない私に期待しないで
ためらいがちに口に含んだ苦く光るバニラ

私の声は体よく並べられすまし顔で他人の素振り
会ったことのない肉親のようで君が泣いても釈然としない
そうだよダーリン そんなもの集めて私に差し出しても
忘れないで所詮私それを愛せない

crushed moon on the dish
銀のナイフがヒヤリ 私の火照る唇を撫でて
crushed moon on the dish
こんな不甲斐ない私に期待しないで
ためらいがちに口に含んだ苦く光るバニラ

誰が教えた訳でもないのに不似合いだと気付いたのは何故?
白濁色の緩い痺れがきっと行く先を照らしてくれる

crushed moon on the dish
銀のナイフがヒヤリ 私の火照る唇を撫でて
crushed moon on the dish
これが私のサヨナラの形 苦く光るバニラ
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