雨のチャペル通り

あゝ恋した日暮れは 雨の気配恐(こわ)い
窓 前髪預けて
あなたが坂を駆けて来るの待つの

白い息はずませて 毎日この時間
名も知らぬ「恋人」が舗道通るの

チャペル通りは雨模様
切ない胸に鐘の音が 鳴響くたび祈ります
右手を窓辺かざしながら
チャペル通りは雨模様
うつむくことしかできない雨

手のひらに片想い 盗み撮(ど)りした写真
ただ あなたの背中が
写っただけの淋しいスーベニール

初恋の哀しさは 霧雨に似てるね
言いかけて消えてゆく言葉を濡らす

チャペル通りに降る雨は
涙の型しているわ
あなたに恋をしてる子が
どこかにいること告げるよに
チャペル通りに降る雨は
つぶやきそれより静かね……あゝ

チャペル通りは雨模様
切ない胸に鐘の音が 鳴響くたび祈ります
右手を窓辺かざしながら
チャペル通りは雨模様
うつむくことしかできない雨
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