私自身

ひとりソファーに寝ころんで
恋の歌聞くでもなし 歌うでもなし
私は日暮れを見つめています

部屋の窓には東京湾の
船の灯が小さく揺れて
一人ぐらしに疲れた時は
結婚なんか考えてます

夜汽車で旅に出る時は
色のない写真のように 素顔のままで
東京駅から出かけています

幾度か恋にこの身を灼いて
歌を忘れた私だけれど
淋しさだけを心に積んで
今日もぽつんと歌っています

くちづけ交す恋人にさえ
私の気持は言えないでしょう
人に知られず流した涙
私は今日も歌っています…………
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