萩の月

一緒に行けない この人と
幾つの石橋 別れ橋
こうしてふたりで 歩いた道を
忘れはしません 最後の夜も…
待つ身悲しい 女の夢が
揺れて揺れて 揺れて切ない 萩の月


過ごした季節の 思い出は
櫻の舞い散る 石畳
夕陽の宿では 波音聞いて
甘える倖せ はじめて知った…
生きて行けます 恋しさだけで
なんでなんで なんで寂しい 萩の月


椿の花より 炎える口紅(べに)
愛しい小指に 押し当てる
生まれたこの町 捨てると言えば
どれだけ泣かすか 優しい母を…
追えぬ女の 罪ほろぼしに
せめてせめて せめて映して 萩の月
×