菜の花

哀しいほど澄んだ 青空が広がる
親孝行を気取った 最後のドライブ
菜の花畑 指さす 少女のような横顔
僕を忘れ 自分を忘れても
花の名前 覚えてたお袋

ずっと大人になれなかった 僕と
そっと子供に戻ってゆく あなたと
並んで座り 見つめよう
風に揺れてる 一面の菜の花

想い出にも遥か 青空は広がる
学校帰りころんだ でこぼこ砂利道
泣き虫だった 僕は いつも走って帰った
笑いながら おかえり言いながら
花の中で 手を振ったお袋

ずっと大人になれなかった 僕も
やっと大人に なれるというのだろうか
小さくなった 肩越しに
遠く揺れてる あの頃の菜の花

ずっと大人になれなかった 僕と
そっと子供に戻ってゆく あなたと
親父の好きな 花だった
風に揺れてる 一面の菜の花
×