去りゆく君へ

僕は君が大好きで 君も僕を好きなのに
二人はすれ違ったまま 違う時を歩いてゆく

君が夢を選んだこと 僕がここに残ったこと
そばにいることは出来ないけど いつもここで想ってるよ

渋谷の人ごみは 絶え間なく流れてゆく
人ばかりこんなにいたって 君の代わりなんていないじゃないか

やわらかな唇も ふれた手のぬくもりも
いつも見てた あたり前の仕草も
まぶたに映る笑顔も 僕を呼ぶあの声も
今はもう幻

改札右の赤いランプの前 いくら君を待っても
時計を見ながら慌てて走ってくる 君の姿はもうどこにもない

夜ってこんなにも 長いものだったんだね
君が隣にいる時には 気にもならなかったのに

短くなった髪も ちょっと困った顔も
泣いたり笑ったり 転げあった日々も
その小さな鼻も こすると消えるまゆげも
今はもう…

電車の窓越しに 夜の街を見下ろして
最後にもう一度 君を思い出す

二人が出会う前の なにげない日常に
戻っただけ それだけ それだけなのに

この想いは何だ
この気持ちは何だ
教えてよ
この痛みは何だ
この涙は何だ
教えてよ

僕は君が大好きで 君も僕を好きなのに
二人はすれ違ったまま 違う時を歩いてゆく
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