恋ざんげ

あれは七月 蝉しぐれ
瀬音したたる いで湯宿
ふたり渡った あの橋は
女と男の 紅(あか)い橋
あゝシュルル シュルル シュルル
明かりをつけても 暗すぎる
あゝシュルル シュルル シュルル
淋しさばかりが 群(むら)がって
夜更けのテレビは 蝉しぐれ

いまは三月 風の笛
みぞれ窓うつ 港宿
砂に埋(うも)れた あの難破船(ふね)は
思い出ばかりの 恋ざんげ
あゝシュルル シュルル シュルル
春だというのに 寒すぎる
あゝシュルル シュルル シュルル
海峡こぎだす 櫂(かい)もなく
夜更けのテレビに 雪が舞う

あゝシュルル シュルル シュルル
手酌のお酒は 酔いすぎる
あゝシュルル シュルル シュルル
帯とく音さえ せつなくて
夜更けに泣いてる 恋ざんげ
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