夜間飛行

窓を閉じると静まる機内
眠れぬ人を包む読書灯
ホテルのペンで綴るエアメール
受け取る人は未来の自分

ごめんね、いじめてたね 彼にぶつけられない分
それでも最後の言葉 許せなかった

「愛すべき人がいる」「守るべきものがある」
耳をふさいで会い続けた 自分を試すように
長い長い旅をしていた 繰り返す私はあなたを
愛してる?愛してた?
ねぇ今 どこを飛んでいるんだろう?

ささやく声に窓を開けると
暗い宇宙に光るオーロラ

思わず手を握って笑いあえる人が欲しい
見たいもの触れたいものがいっぱいあるから

愛すべき人がいる 守るべきものがある
私じゃなきゃだめだと手を広げてくれる人が
深く傷ついてよかった 一人じゃだめだとわかった
愛したい、愛されたい
ねぇいつ 夜は明けるのかな?

切手は貼らないの パスポートにはさみ
今度出会う人と使う旅まで とっておくの

愛すべき人は誰? 守るべきものって何?
深く傷ついてよかった 一人じゃだめだとわかった
愛したい、愛されたい
やっと 少し眠れそうよ
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