みやこ哀歌

七尾七谷 七尾の龍に
祈る雨乞い 末娘(むすめ)の願い
田畑うるおい 救えるならば
たとえ災い 降りかかろうと
私行(ゆ)きます 小松が池に
命を懸けた 銀の念珠(じゅず)

天(そら)は稲妻 水面(みなも)は割れて
昇る竜巻 この身にうける
ひとり静かに 経本(きょうほん)読めば
怒り鎮まる 仏のちから
私行きます 菩薩のもとへ
末期(まつご)の水か 袂清水(たもとみず)

黒田延永(くろだのぶなが) 見下ろす峰に
胸の観音 祀りて詣る
香(こう)の薫りが 漂う岩窟(ほら)に
灯り奉げて 願いを託す
私信じて 念ずる人に
幸福(しあわせ)あげる 銀の鈴
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