リアル

本当は雨が嫌いで 空を睨みつけて出掛ける
落ちてくる水滴が 頬を濡らす
薄暗い白昼夢

鼓動が喉を伝わって 不意に生きている実感
このリズムがそのまま 歌になれば
僕がいた証明だ

誰かわかってくれるかな
かすれた声が隠す孤独
誰もわかってくれないな
硝子の水槽 中は水だけ

現実は いつでも いつまでも
人を騙し続けるさ
だから僕は歌うんだ
僕は声が枯れるまで

本当は雨はあがって 空は一面の青空
くすみきって曇るのは この冷やかな僕の心だった

誰かわかってくれるかな
独りよがりは息が切れる
誰も知らなくていいや
硝子の水槽 穴があいてる

現実は いつでも いつだって
ひとを騙し続けるさ
だから僕は歌うんだ
ひとりごと 大声で

立ち止まり 目を閉じた いつも襲い来るサンセット
まぶたの向こうに見えるのは 死ぬまで続く穏やかなリアル
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