北の孤愁

終わった恋の かなしさに
ひとり来たのさ 北のはて
狭霧(さぎり)ながれる 森かげの
湖水にうかぶ わくら葉は
かえらぬ夢の なきがらか

寄せては返す さざ波は
尽きぬ涙の セレナーデ
そぞろ岸辺を さまよえば
一声啼(な)いて 水鳥の
飛び立つ影に 日は落ちる

梢(こずえ)に光る 一つ星
わすれられない あの瞳
遠い都は 雲のはて
わかれた人の 名を呼べば
木霊(こだま)がかえる わびしさよ
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