夜更けのワルツ

待つの お止しよ 夜が更ける
時計が零時の 刻(とき)を打つ
人目盗んで フロアの隅で
ひとりで踊った 夜更けのワルツ
あんなに愛した ひとなのに
夢を本気で 懸けたのに

夜の静寂(しじま)の 向こうから
お馬鹿さんねと 声がする
あれは氷雨の 優しさですか
思わず縋(すが)った 夜更けのワルツ
私が二十歳の 秋のこと
世間知らずの 頃のこと

何の便りも ない儘(まま)に
あれから何年 経ったのか
思う心の 炎は消えず
今夜も踊った 夜更けのワルツ
涙をお酒で 割りました
ぐっと飲み干し 泣きました
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