浜の恋女房

命ぎらぎら しぶきを蹴って
競うヤン衆の 一番船が
漁場めざして 沖へ出る
あとはお任せ 番屋の仕事(こと)は
惚れた漁師の 嫁だもの
あんた見送る 浜の恋女房

お湯はぐらぐら やかんに沸いて
白いご飯も そろそろ炊けて
ちょいと薄めの 口紅(べに)をさしゃ
網を引く手は 凍えちゃないか
ふいに愛しく なる夜明け
あんた待ってる 浜の恋女房

海がきらきら 朝陽に光り
帰り急いだ 大漁船が
旗をなびかせ 風を切る
仁王立ちした あんたの姿
おとこ前だね 日本一(にほんいち)
あんた迎える 浜の恋女房
×