艶歌船

腰に結んだ 一本綱に
命あずけた 荒くれ鴎
かしぐ舳先(へさき)に かみつくしぶき
胸が…胸が騒ぐぜ 千島の沖じゃ
意地で乗り切る 艶歌船

海の稼ぎと 男の情け
なんであの娘は 秤(はかり)にかける
肌に沁みてる 女の匂い
潮に…潮にさらせば いつかは消える
涙ぐむなよ 艶歌船

蟹の甲羅で 飲み干す酒が
俺にゃ一番 似合いの酒だ
思い出すなよ 港の灯り
波が…波がドンとくりゃ 未練も夢も
どうせ藻屑(もくず)さ 艶歌船
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