片道4,100円

「東京都まで行きます」疑ったままの歌を頼りに
夜行バスと真っ黒のカーテン
木造住宅の窓から差す陽は眩しく だが暗い
「堪え難い」とただ書いた歌を買う人もいない
生活水準はクソ 金や職の話ではなく
遮光カーテン 濁流に引いて

誰と誰のせいでこんなに苦しいか
駄目と愚痴を吐かないようにしてはいた
でも例えば火薬を飲んだ夜を
穿てば楽になった気もしていた
そう言って

「僕と彼はもう生きていくことが出来ないと
その日々を撒いていく痛みと
そのヒビに巻く物がないと」そう言って

片道4,100円 近くて遠い街頼りに
夜行バスと真っ黒のカーテン

高層ビルに新宿 先々の不安消えるでもない
歌舞伎町の歌を書いても買う人もいない
計画 構想もクソ 見るもの聞くもの全てがクソ
遮光カーテン手前に引いて

僕と彼はもう生きていくことが出来ないと
僕と彼はもう生きていくことが出来ないと
その日々を撒いていく痛みとそのヒビに巻く物がないと

あれから一つずつやり直して
「ねぇ鼓膜を破って誰かを黙らせて?」
そう言って

片道4,100円
疑ったままの歌をお便りに
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