さよなら

最終列車を見送って くしゃくしゃになった切符を握る
開いたドアのその中に 踏み込んだならどうなっただろう

遅れた風が背中を 強く強く押すけれど

さよなら 頬を濡らす涙
悲しみが通った後のレール
さよなら さよなら
追いかけたがる声もこらえ

僕の目越しに見る景色 あっという間に流れていくよ
ありふれた話思い起こす 心が未だ止まったまま

次に立つべき場所まで しばらく着けそうにないな

思い出 なんて呼べないまだ
隣に居ないのが不思議
さよなら さよなら
何度だって繰り返すけれど

思い合い 最後は 違う方を向けた
今ほら 固く閉じた 手の平ほどいて

さよなら 頬を濡らす涙
悲しみが通った後のレール
さよなら さよなら
寂しい言葉じゃない

さよなら 涙はいつか乾く
明日だけ見つめた時に
さよなら さよなら
それぞれの未来は微笑む
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