蒼い月

「土曜日映画観に行きたいな」
無理なのわかっててねだってみた
受話器の向こう側で
苦い顔させたかな

ホントは はじめから決まってた
冷たい夜が来ることも
不思議ね 狭かったこの部屋も
ひとりきりじゃ広過ぎる

逢いたい
なのに逢えない
あなたの匂い思い出して眠る
寝返り打てばそこには
心こぼれて揺れる
ただ蒼い月

メールはいつだってくれるけど
それより欲しいものばかり
どんなに強がってるさみしさも
涙は許してる

逢いたい
なのに逢えない
あなたの声は 誰の名前呼ぶの
ほんとの優しさはきっと
それぞれにサヨナラを選ぶこと

誰かを傷つける愛は
いつかは自分も傷つける
好きになった気持ちだけを
かばいながら

逢いたい
だから逢わずに
二人の匂い消すように眠ろう
はずした指輪の跡も
忘れられるまで 胸 抑えて

真昼は空のどこかに
輝きを隠してた蒼い月
もうすぐ別の季節へ
夜は明けてゆく
わたしを連れて
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