なみだ雨

肩を寄せても おんなの傘じゃ
隠し切れない ふたりの恋よ
愛して尽くして 悔いない命
ほろほろほろと 湯けむりの
夜にこぼれる なみだ雨

忍ぶ旅路の 瀬音を聞いて
寒くないかと 気づかうあなた
明日(あした)と呼べない 夜明けが憎い
ほろほろほろと その胸で
せめて泣かせて なみだ雨

朝の始発に あなたを乗せて
次の汽車待つ 別れの駅よ
思い出ひと色 心を濡らす
ほろほろほろと 残り香に
紅も哀しい なみだ雨
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