全てを

淡く咲き誇った 桜の花色は
切なく散って行き 去る 恋心の色に似て
緑濃く生い茂る 木々の影で
隙間から射し込む夏の 身を焦がす太陽

見て この景色を
聞いて この声を
感じて 生あることを
知って 全てを

期待外れの 天気予報に
小さな肩を落とした 秋の朝の雨
街は電飾で きらびやかに色付き
北風が運んだ 胸の高鳴りを

見て この景色を
聞いて この声を
感じて 生あることを
知って 全てを
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