矢作川

冷たい指を 絡ませあって 川辺をゆけば
別れの朝の 拳母(ころも)の里は 切なく凍る
心に果てない 夢を抱き
あなたは故郷 後にする
抱きよせられたら すがりつく
バカね…今さら未練です バカ…バカね
愛がゆれる 矢作川

眠れぬ夜を いくつも数え 今年も桜…
あなたのいない 拳母の里は 春まだ寒い
願いを叶える バラの石
永遠誓った 茶臼山
忘れはしないわ いつまでも
夢ね…あの日は帰らない バカ…バカね
杉の木立 矢作川

小戸名(おどな)の谷を 吹きゆく風に 葵(あおい)が薫る
ひとりで歩く 拳母の里に セキレイ一羽
命を燃やした 男(ひと)だから
誰にも寂しさ 拭えない
迎えにくるよの 約束を
わたし…信じて待ってます バカ…バカね
愛がゆれる 矢作川
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