酒よおまえは

鴎が一羽啼く声か 汽笛が遠く咽ぶのか
港夜雨(よさめ)がそぼ降る町で
夢に今夜も 倒れ込む
時代に媚びず 生きろと言った
父親(おやじ)の言葉が 心をよぎる
酒よおまえは 酒よおまえは
なんで涙を 誘うのか

忘れたはずの面影が グラスに浮ぶ夜がある
時の彼方に 置き去りにした
恋のつらさを 思い出す
詫びても遅い 恨んでくれよ
幸せひとつも やれない俺を
酒よおまえは 酒よおまえは
なんで過去(むかし)を 連れて来る

淋しさだけを道連れに 男の旅は続くけど
胸にいつでも 故郷へ帰る
白い線路が 走ってる
酔いどれながら 今夜もひとり
明日へ向かって 拳を握る
酒よおまえは 酒よおまえは
俺に勇気を くれる水
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