父さんの言葉

幼い頃に父さんと お風呂帰りの肩車
「お前は男 弱音を吐くな
強い心で 生きてゆけ」

明かりが灯る裏通り 祭り囃子に日が暮れる
身を寄せ合った 小さな家が
僕らの大事な 宝物

微笑みながら手を握り 「幸せなんか 探しても
どこにもないさ 親子こうして
どうやら暮らせる ここにある」

時は流れて この僕も
いつの間にやら 人の親
「強い男(やつ)ほど やさしくなれる」
父さんの言葉 思い出す

あの戦争を生き抜いて 天に召された 父さんの
大きな背中 追いかけながら
僕は負けずに 生きている

まるい心で 生きてゆく
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