しとしと雨が 降る日が好きだった
長靴履いて 水たまり壊して
なかなか待っても 母さん来なくて
みんないなくなって 泣きべそかいて

もうすぐだから いい子にしててね
妙に優しい先生の 声が嫌いだった
いつまでたっても 一人で待ちぼうけ
ちっちゃな蛙と 目が合った

だんだん雨が 上がってきた時に
遠くに母さん ぽつんと見えた
鞄を抱えて かけ足で
真っ白な靴下 どろんこになった

「ごめんね」と言い 頭を撫でる
疲れきった母さんの 手が好きだった
何度も何度も 握りしめ歩いた
ちっちゃな蛙も ついてきた

「ごめんね」と言い 頭を撫でる
疲れきった母さんの 手が好きだった
何度も何度も 握りしめ歩いた
ちっちゃな蛙も ついてきた

しとしと雨が 降る日が好きだった
ちっちゃな蛙と 母さん待つの
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