幾春別の詩

今さら想い出を
紐といてみても何になる
降り立つ駅には
人影も見えず
木洩れ陽だけがそよいでる

こんな町にもひっそりと
季節は巡り来て
行く春を惜しみながら
別れ唄をうたう

幾春別
トロッコの線路
辿って行けばその先に
幾春別
無邪気に花を摘む
幼い私がいるはずさ

昔のざわめきが
嘘のような家並に
置き去りにされた
自転車の車輪
風が吹くたび廻ってる

時がたてば
華やぐ町さえ面やつれ
行く春を見送るなら
目を閉じたままで

幾春別
心に刻まれた
セピア色のその景色
幾春別
北国の果ての
今は廃墟の故郷(ふるさと)さ
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