関東仁義

「ご列席のご一統さん 失礼さんにござんす。
私生国と発します 関東にござんす。
関東は江戸 改めまして東京は浅草
花川戸にござんす。
男度胸の二の腕かけて
義理人情の紅い花
彫って入った稼業にござんす。
渡世縁持ちまして天神一家にござんす。
姓は左近寺 名は龍也
通称抜き打ちの龍と発します。
昨今かけ出しの 若輩者にござんす。
今日嚮(きょうこう)万端よろしゅうおたの申します」

お世辞笑いで 生きてくよりは
義理の二文字 抱いて死ぬ
古い男の 誠の道を
なんで世間は 馬鹿という

惚れた女に 難くせつけて
むける背中に 夜の風
短刀(ドス)を呑んでる この懐(ふところ)に
抱いちゃいけない 堅気花

半端者でも 傷もつ身でも
なんで汚(けが)そう こころまで
割って見せたい 五尺の身体
どこに男の 嘘がある
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