エチュード

いつのまにか風は 次の季節を連れて
新しい人波が 町に溢れだして

持ち帰る場所のない 一日をつめこんだ
ひとりぶんの荷物の 重さをたしかめてる

あなたじゃない誰かと笑う わたしになんかなりたくないよ
あなたじゃない誰かと出会うための 涙ならいらないよ
別れは明日へのエチュード そうして歩いて行くとしたら
歩いてなんか行けなくてもいい なにもかもをあの日に戻して

生まれて初めての やわらかだった時間
越えなきゃいけないものなど もうないと思ってた

あなたじゃない誰かと笑う わたしになんかなりたくないよ
あなたじゃない誰かと出会うための 涙ならいらないよ
わたしでいるためのエチュード 答はいつもサヨナラとしたら
宝物いくつ引きかえればいい これ以上なにを置いていけばいい

あなたじゃない誰かと笑う わたしに明日も朝が来て
あなたじゃない誰かと出会うために 時がまた繰り返して
忘れていくためのエチュード ひとつずつかさねてしまうのでしょう
声も名前も懐かしい歌も なにもかもが昨日に変わるまで
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