ある夜

生きているだけで
恥ずかしいと思う夜は
どんな人に愛をそそがれたって
柳に風

息をするだけで
じれったいとおもう夜は
なにものに労を注いできたのかも忘れさり
いつも手ぶらで情けないけれど
何ができるとも言えぬまま
年月だけが過ぎてしまう

恋をするだけで
惨めさを晒すようで
ひどく無様だから
笑ってもいいよ
誰かの素肌に触れていたいだけの夜もあるさ
いつも手ぶらで情けないことも
そうして過ごしている間は楽に思える

教えて
愛想なしの世界は
自分で創ってしまったものなのか
工夫次第でどうにでも変わるのなら
けがれのないまま向かわせて
違った夜を造りだすから
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