アクアテラリウム

温かい水に泳ぐデトリタス
長い時間をかけて糸を紡ぎながら繭になる

一体どれくらい目蓋を閉じていたんだろう
待っても待っても僕らずっとふたりきり
ここは有限の水槽で 名前を呼べば泡になる

温かい水に泳ぐデトリタス
長い時間をかけて糸を紡ぎながら
穏やかに眠る君の外側で
全ての感情から守る繭になる

静かすぎたこの楽園で漂いながら
何一つ変わらないんだって気づいても
君の姿を見るだけで 僕の視界は透き通る

揺らぐ向こう側 届かないままに
近くて遠い砂の橋は碧く溶けた
穏やかに眠る君に寄り添って
波打つ月のかたち そっと見上げてる

いつかひとりで目覚めた君の (いつかそう僕がいなくなる時に)
はじめて瞳に映す景色が
美しいものだけで満たされる様に 捧ぐ子守唄

温かい水に泳ぐデトリタス
長い時間をかけて糸を紡ぎながら
穏やかに眠る君の外側で
全ての感情から守る繭になる
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