一の糸

「一の糸」がいのちなら、女は恋がいのちです。

死ぬか生きるか 決めた恋
こころを盗んだ その響き
三味のいのちは 一の糸
分りますとも あなたの情け
別れを告げずに 夜汽車に乗れば
胸を揺さぶる 胸を揺さぶる ああ一の糸

添えぬさだめの あのひとが
肩先揺らして 三味を弾く
叩く押さえる また叩く
熱く今でも またよみがえる
あなたが弾いた 縁(えにし)の糸が
つらく揺さぶる つらく揺さぶる ああ一の糸

夢にはぐれた 幻の
未練の涙か 三味が泣く
たとえ短い しあわせも
忘れたくない 忘れはしない
わたしにとっては いのちのような
思い揺さぶる 思い揺さぶる ああ一の糸
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