俺たちの迷い

お前の唇が今 止まった
「どうしてそんなに淋しい顔をするの」って
お前が言う
「俺は特別な男なんかじゃないさ」っていうと
「悲しい男ね」ってお前が笑う
ただ まっすぐに愛せば
ただ それだけでいい
この闇の中 俺の鼓動がお前に届くかい
力つきるまで とけてゆけ
朝が来る 朝が引き裂く
俺の住み家を 雨が叩くよ
引き戻しても すりぬけていく
雨音にまぎれた 俺たちの迷い

シーツをはぎとり お前は髪をかきあげた
「留守番電話に入れとくわ」って
お前が言う
「何を入れるんだ」って俺が言うと
お前はだまったまま
俺に背中すりよせ ため息こぼした
ただ まっすぐに愛した
ただ それだけでいい
このタバコを吸い終わったら お前は出て行く
くゆらせる愛は 崩れてゆく
朝が来た 最後の朝が

俺の住み家を 雨が叩くよ
引き戻しても すりぬけていく
雨音に掻き消された 俺たちの迷い
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